小児の予防接種は、法律で対象年齢や接種回数が定められている定期接種と、保護者の判断で接種する任意接種の2種類に分けられます。定期接種は公費で受けられるため、患者さんの金銭的負担はありません。
生後2ヶ月から推奨される予防接種は下記の4種類です。混合ワクチンは3種から5種になり、一度に接種できる種類が増えました。
同時に複数のワクチンを接種するとなると不安を感じるかもしれませんが、同時接種で副反応のリスクが高まるわけではありません。お子さんの接種にかかる負担を考えると、同時接種はメリットがあるといえるでしょう。
| ワクチン | 予防できる病気や接種スケジュール |
|---|---|
| ロタウイルスワクチン | 乳幼児の下痢や嘔吐症の原因となるロタウイルスの感染予防。標準的には生後8〜14週で初回の接種を実施。 |
| 5種混合ワクチン | 重篤な疾患である、ポリオ・百日咳・破傷風・ヒトインフルエンザ菌感染症(Hib感染症)・ジフテリアの予防。生後2ヶ月で初回の接種を行い、一定期間後に追加接種を実施。 |
| 肺炎球菌ワクチン | 肺炎や髄膜炎といった重篤な疾患の予防。生後2ヶ月で初回の接種を行い、一定期間後に追加接種を実施。 |
| B型肝炎ワクチン | 肝炎の予防。生後2ヶ月から接種可能。 |
当クリニックでは、予防接種に詳しい看護師が接種スケジュールのご相談などに対応いたします。特に、1人目のお子さんのときにはわからないことが多いと思いますので、生後1ヶ月を過ぎたらご相談ください。
予防接種の予約はWeb予約またはお電話からお取りいただけます。当クリニックが初めての方でもWebからのご予約が可能です。
接種当日は、受付後、検温・体重測定・問診を行った後、お子さんの体調に問題がなければ実施となります。当クリニックでは、お子さんが緊張したり、怖がったりしないよう、できるだけ問診などの時間を短くし、診察室での接種を素早く行うことを心がけています。
接種日に発熱や咳、鼻水といった風邪の症状がある場合は予防接種を行えない可能性がございます。予防接種前にお子さんの体調に不安があるときは、一度受診し、診察を受けていただくのがいいでしょう。事前に受診いただければ、予防接種が行えるかの判断もできますし、症状によってはお薬を処方することもできます。
予防接種後は、院内でしばらくお休みいただく場合がございます。これは、予防接種によるアナフィラキシー症状がないか観察するためです。特にお子さんの様子に異変が見られなかった場合は、お会計後ご帰宅いただけます。
予防接種を受けた当日は、できるだけ真っ直ぐ帰宅し安静に過ごしてください。接種後の食事や入浴の制限はありませんが、接種部分をこすらないように注意が必要です。もし、接種部分の腫れがひどい、痛がっている、1日以上熱が続いているという症状がある場合はすぐにご連絡ください。
Q
予防接種前後の授乳はどのようにしたらいいですか?
A
予防接種前の授乳は、予約時間の30分前までにお願いします。特に、生後2ヶ月で接種するロタウイルスのワクチンは、飲むタイプのワクチンなので、服用後に吐き戻してしまうとやり直しになってしまうこともあります。
接種後の授乳も、30分以上時間をおいていただくのがいいでしょう。予防接種によるアナフィラキシー症状は、接種後30分前後で発現することが多いためです。予防接種による異変かどうかの判別をしやすくするためにも、接種直後の授乳はお控えください。
Q
予防接種時の持ち物と服装を教えてください。
A
予防接種には、必ず母子健康手帳をご持参ください。定期予防接種の場合は、予診票が必要です。その他、保険証・医療証、お持ちであれば当クリニックの診察券をお持ちください。
お子さんの服装は、前開きや上下別れた服など、脱ぎ着しやすいものがおすすめです。ワンピースやサロペットは脱ぎ着しにくいので、予防接種日には避けた方がいいでしょう。