アレルギーには、食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・花粉症・ダニ・ほこりなど様々なものがあります。乳幼児では食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が多く、2歳頃から気管支喘息、6歳頃からアレルギー性鼻炎のお子さんも増えていく傾向です。
アレルギーとは、身体に入ってきた異物に対して、免疫機能が過剰に反応した状態です。この免疫機能の過剰反応が、皮膚炎やくしゃみなどの現象を引き起こしています。なぜアレルギーが起こるのか、その原因は遺伝や環境など様々言われていますが、はっきりとしたことはわかりません。患者さんそれぞれによって原因となるものが異なるため、一概に原因を示すのは難しいでしょう。
小児アレルギーでは、乳幼児期のアトピー性皮膚炎をきっかけとして、食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー性鼻炎が次々と起こるアレルギーマーチに注意が必要です。アレルギーマーチが起きやすい子どもはアレルギーハイリスク児と専門的に言われ、”両親またはきょうだいにアレルギー疾患をもつ子ども”と定義されています。花粉症もアレルギー疾患の一つですので、アレルギーハイリスク児は決して少数とはいえないでしょう。
アレルギー疾患が次々と起こるアレルギーマーチを予防するには、早期対応が重要になります。アレルギーマーチは皮膚のバリア機能が弱いことから始まるため、まずは皮膚を健康に保ち、皮膚のバリア機能を高めることが必要です。
皮膚のバリア機能は乾燥によって低下します。バリア機能が低下していると、アレルギー物質が体内に入りやすくなるため、皮膚の保湿は欠かせません。また、皮膚を掻くと傷ができ、そこからアレルギー物質が侵入してしまいます。痒みが強く、お子さんが無意識に掻いてしまうときには、薬によるコントロールも有効です。
皮膚の対策と並行して、アレルギーの原因物質も減らさなくてはいけません。花粉の場合は家にできるだけ花粉を持ち込まない工夫をし、ダニやほこりはこまめな掃除を行うことで抑制できます。当クリニックではお子さんのスキンケアや食事、生活のアドバイスも行いますので、アレルギーで心配なことがありましたらご相談ください。
当クリニックでは、アレルギー検査を院内で行っています。1滴の血液から食物や花粉など、41種類の検査が可能です。血液は指先に針を刺して採取しますが、針は一瞬で刺さるので痛みはほとんど感じません。検査結果は約40分でわかります。お子さんにもご家族にも、身体的・時間的な負担が少ない検査を目指しています。
また、スギ花粉やダニアレルギーに対しては、舌下免疫療法も行っています。これは、アレルギー物質を少しずつ体内に取り入れ、身体を慣らすことで症状を和らげる治療法です。5歳以上の子どもから適応となりますので、気になる方はご相談ください。